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                 日記37話




このダンジョンのモンスターの耐久力の前には、私の百鬼はまるで竹光のように感じる。


3匹以上に囲まれたら命取り・・・・・・ 隅っこでコソコソ狩るより、他に生き残る道は無い。


10万近いダメージを当たり前のように繰り出し、悠々と狩る他の冒険者……


彼らの実力を見せ付けられるたびに、私は大きな無力感を感じ……


そしてその無力感が、危険な単純作業であるDDサウス狩りへと、私を誘う……




某月某日 アイアンシティ


フロースヒルデ「ふぅ……疲れた……」

夕暮れのアイアンシティに、汗だくになった戦闘城フレイヤII艦長、フロースヒルデの姿があった。


元帥「DDサウスって凄く暑いからね〜。 今日はどのくらい上がったの?フロースちゃん」

フロースヒルデ「1時間狩って3%ちょっと……」

元帥「う〜 あんだけ狩って3%ちょっとか〜

目標のLv106まで、まだまだ先は長そうだね」

フロースヒルデ「うん……」

と、フロースと元帥が話し合っていると……


巫女さん「こんにちわ、フロースさん。 お久しぶりです、西院(さい)です」

背後から、巫女装束の女性がフロースに声をかけてきた。

 以前知り合った巫女の少女、天神川西院である。


フロースヒルデ「あ、誰かと思ったら西院さんじゃないんですか。 髪型が変わったから一瞬だれだか分からなかったわ。

西院さんが使っている紹介状、高かったでしょうに」

西院「町の市場で安く売っていたので、何とか買えたんですよ。

それよりもフロースさん。 最近、サウスDDに入り浸っているようですが……」


フロースヒルデ「ええ。 最近、今の自分の実力に不満を感じてね。

少しでも強くなろうと、毎日……ね」

西院「なるほど……

フロースさん、僭越ながら申し上げますが……」

フロースヒルデ「?」


西院「余り、自分をいじめるような狩りは良くないと思いますよ。

それは自分にとって危険なだけでは無く、最悪、周囲も危険に晒す事になりますから……」

フロースヒルデ「……」

 西院の言葉に、一瞬言葉を失うフロース。


フロースヒルデ「……西院さんも、もしかしてサウスDDで狩りを?」

西院「ええ。 私もベースLv100の身。 無茶をしなければ、あそこで慎ましく狩る事は出来ます。

もっとも、背徳者を始めとした闇属性の敵に見つかったら、逃げる他ありませんが……」

フロースヒルデ「なるほど…… それで、私があそこで狩っている所を何度も見かけた、と」

西院「はい」


フロースヒルデ「ありがとう、西院さん。心配してくれて。 よくよく考えてみれば、あそこの狩りで結構危ない橋を渡っていたからね、私。

じゃあ、今日は疲れたから帰るわ。 今度機会が合えば一緒に狩りしましょ、西院さん」


西院「はい。 それでは、おつかれさまでした〜」

フロースヒルデ「またね〜 西院さん」

 西院に別れを告げ、町外れの飛空庭空港の方へと去っていくフロース。



?「悪ぃ、西院。 無理な頼みごとをしちまって」

 ふと、西院の背後から声がかかった。

西院「いいの。 貴方に女の子の説得が出来るはずは無い事は、教習所同期の私が一番よく分かっているからね」


西院「藪 重秀さん」

重秀「人の名前をフルネームで呼ぶのはよせよ、西院。

それに、俺だってあの艦長さんの説得はやりたくなったし、出来るとも思っていなかった。 主任が、唐突に……な」


西院「主任……という事は貴方の上司である、ラウリーンさんに頼まれたのかしら?」

?「ええ、その通りなのよ、西院さん」

 西院の問いに対する答えは、重秀ではなく別の人物から返ってきた。



ラウリーン「だめじゃない、重秀君。 頼まれた事を、同じ会社の人間とはいえ別部署の人に丸投げしちゃ」

 いきなり、ペールゴールド髪の女性に叱責される重秀。

重秀「す、すんません…… あの艦長さんに、どう声をかけたたらいいか思いうかばなくて……」

ラウリーン「ふぅん…… 

まあでも、 考えてみればぶっきらぼうな重秀君に、あの子のお守りはちょっと荷が重すぎたかしらね。

その点では、無理に自分で解決しようとせず、西院さんに頼んだのは賢明だったかもしれないわ」

重秀「……」


西院「でも、重秀さんにももうちょっと女の子の気持ちが分かるようになってもらわないと困ります。

今回は全面的に面倒みてあげましたが、次からは少しは自分でフロースさんに声をかけてくださいね」

重秀「……」

 女性二人に睨まれ、沈黙するしかなくなる重秀。


ラウリーン「それにしても悪いわね、西院さん。 あの子の説得をしてくれて」

西院「いえいえ…… 私も、最近のフロースさんの無茶狩りには危機感を覚えていましたので……

ラウリーンさんが動かなくても、遅かれ早かれ声をかけるつもりでした。

それにしても……」

 一呼吸置いて、西院は続ける。


西院「ラウリーンさんとフロースさん、一体どういう関係なのですか?

 全くの他人であれば、ここまでフロースさんを気遣う理由も無いでしょうから……」


重秀「確かに……そいつは自分も気になっていました。

一体、主任とあの艦長さんとはどういう関係なんですか?」

ラウリーン「あの子……フロースヒルデと私との関係は、至ってシンプルなの。

そう、あの子から見れば私は……」

SE:チッ……(煙草)


ラウリーン「『戸籍上のおばさん』にあたる人間なのよ


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