日記第40話




戦闘城フレイヤII 食堂

声:ごちそうさま~


アガサ:やっぱり自分で作ったスイーツを食べるのは最高に美味しいよね、ウルネさん。


ジークウルネ:そうね。

私も学校時代に、お菓子作っているサークルに所属していたからね。 その気持ち、分かるわ。

もっとも、私はお料理はあんまり得意じゃないから、いつも他のメンバーに助けを借りていたけど、ね。


ユキ:それでも、ウルネさんも結構な腕前だと思いますよ。

今まで、結構な努力をなされていたのでしょう。

ジークウルネ:まあね。

でも、まだまだユキちゃんやアガサちゃんには敵わないわ。

ユキ:ところでウルネさん、この城に来てからいままで、ずっと疑問に思っていた事があるのですが……

ウルネ:? 何かしら?


ユキ:この城にはアガサさんや鴎外さんを始めとして、多くのアンブレラ系モンスターが住んでいますよね。

そして、アガサさんの祖父である、アンブレラの長老様の信頼もあつい……

でも、この城でもアンブレラ系モンスターを語る上では決して外す事のできない、ある方のお姿を見た事はありません。

ウルネ:ある方?

ユキ:はい。

この城に、アンブレラ系モンスターで現状唯一のボスモンスターである……


ユキ:コウオウ様がお見えになられた事は……あるでしょうか?

ウルネ:……そういえば、ないわね……

少なくとも私が知る範囲では、コウオウ様がこの城に来た事はないわ。

ユキ:そうですか……


アガサ:ただ、コウオウ様もこの城の存在くらいは間違いなく知っているはずよ。

この城の事は…… 今やアンブレラ系モンスターの社会じゃ、どの種族でも常識になっているからね。

それだからこそ、結構な数のアンブレラ系モンスターが乗組員に”しがん”してきたんだろうしね。


ユキ:そうですか……

やはり、『オウ』様ですから、お仕事が忙しくてこっちに挨拶にはこれないのでしょうか?

ウルネ:それもあるけど、コウオウ様がこっちにこれない理由としては、もっと大きな理由があると思うの。

それは……


ウルネ:コウオウ様って、以前からかなりの数の冒険者に命を狙われているのよ。

コウオウ様が持っている光の紙片…… あれって、アップタウンでは結構高値で取引されているからね。

だからアルマ化でもしない限り、こっちには来たくてもこれないんじゃないかしら。

ユキ:そうですか……

一度お会いしたかったのですが、命の危険があるのでは仕方が無いですね……



一方、その頃……


アップタウン・黒聖堂前噴水広場


フロースヒルデ:さて、もう5月も始まった事だし、ちゃっちゃと今月の御霊イベントこなすわよ、元帥。


元帥:了解~

でもフロースちゃん。 先月のイベントでも誘拐事件が発生しているから…… くれぐれも気をつけてね。

フロースヒルデ:了解。

それにしても今年の通年イベント……去年までと違ってなんだかきな臭い雰囲気が漂ってきたわね。

元帥:だね。

去年の通年イベントでは、確か今頃はのんびりムードだったはずだし……気をつけるに越した事はないよ。

フロースヒルデ:そうね……

?:あの……すみません……そこの赤毛のタイタニアの方……

フロースヒルデ:? 私の事?

?:はい。

その……私もこれから「みたまいべんと」なるものをこなそうと思うのですが……


白傘の女性:この街に出てきたばかりなので、どこに行けば「みたまいべんと」が始められるのか分からないんです。

よろしければ、一緒にイベントをこなしませんか?


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