日記15回(その2)


トンカシティ

フロースヒルデ「トンカも相変わらず、人影がまばらね……」

元帥「だね…… マイマイ遺跡って、いつ冒険者に開放されるのかな?」

フロースヒルデ「さあ……それは私の方が聞きたいくらいね」

 マイマイ遺跡というのは、このトンカシティ近くにあると言われる遺跡の事。

 いずれ冒険者に開放されるという話だが、今のところ(2007年5月中旬現在)、開放される気配すらない。


フロースヒルデ「まあ元帥、マイマイ遺跡の事はひとまずおいて置きましょう。

今は藪先生の行っていた、融合品を分離するプリズムを探しましょう」

 トンカについてから、私達は地上に降りてプリズムを探す部隊と、フレイヤに居残って情報収集する部隊とに分かれた。

 ミューとジーク(デコイ)が情報収集を、私と藪先生がプリズム探しを分担する事になった。

 しかし……


フロースヒルデ「……中々見つからないわね。目的の品物は」

 予想通りというか何というか、目的のプリズムはお店には置いていなかった。

 また、プリズムの開発者の家にも訪ねてみたが、運悪く不在で(トンカ市内にいる事だけはたしからしい)、

私と藪先生は今、手分けしてその開発者を探し回る羽目に陥っていた。



フロースヒルデ「すみません、この辺りでパスカル博士(例のプリズムの開発者)を見かけませんでしたか?」

 私は何気なしに、民家の前に立つおばさんに声をかけた。


おばさん「あら、その格好は・・・・・・冒険者さんね。 丁度良かったわ。 ちょっと、頼みたい事があるのよ」

 おばさんは私の質問にはすぐに答えず、依頼をもちかけてきた。

フロースヒルデ「依頼…… ですか。 具体的には何をすればよろしいのでしょうか?」

おばさん「実は私の家の壷にね、お化けの類が憑いたんで、それを引き取ってもらいたいのよ。

夜中はもとより、昼間でもうるさくてね。

そう、にゃーにゃーにゃーにゃーって……」


元帥「にゃーにゃー……」

 おばさんの言葉を聞いて、元帥が緊張したおももちで呟いた。

フロースヒルデ「? ……どうしたの?元帥」

元帥「その壷についているお化け…… もしかしたら、あたしの仲間かもしれない……

フロースちゃん、壷、回収していこうよ。 博士の居所は、その後でも聞けるわけだし」

 元帥の表情は怖いほど真剣で、とても拒否する事を許してくれる雰囲気では無かった。

 もっとも、私としては拒否するつもりも無かったが。

フロースヒルデ「……わかったわ、元帥。 それではおばさん、壷、引き取らさせていただきますね」

おばさん「ああ、ありがとう。 私はここで花の世話をしなきゃいけないから、勝手に家の中に入って頂戴。

『にゃーにゃー』って声が四六時中している壷が、今回もっていってもらいたい壷だから」

フロースヒルデ「わかりました。 それでは、失礼します」

 私は元帥を伴い、おばさんの家の中に入っていった。



おばさんの家の中


壷「にゃ! にゃ〜!!」


フロースヒルデ「この壷のようね……元帥」

 おばさんの家にはいるなり、にゃーにゃーわめき立てる壷を発見した。

フロースヒルデ「で、元帥…… この壷の中にいるっていう猫のお化け…… 元帥の仲間なのかしら?」

元帥「いや…… どうもこの壷の中には沢山のネコ魂がいるみたいだから…… あたしの仲間がいるかどうかは、ここからじゃわかんないよ」

フロースヒルデ「そう…… まあ何にせよ、この壷を回収しない事には始まらないわね。

でも何故だろう…… 何か嫌な予感がするのよね……」

 私が呟いたその時である。


壷「ターゲットロックオン…… 発射……

フロースヒルデ「!!」

元帥「フロースちゃんいけない!! 避けて!!」

 元帥が言った傍から、壷の口がこちらを向き…… 

 次の瞬間には、まばゆいばかりの光が私を包み込んだ……


どのくらい、時間が経ったのだろうか



フロースヒルデ「ふぅ……どうにか生きているみたい…… って……」



フロースヒルデ「!!!

 下を見ると、そこには何と、私自身が倒れていた。

 そして鏡で自分の姿を見ると、そこには元帥とは別に、見知らぬネコマタの姿があった。

声(誰? ボクの中に入ってきた人は……)

 突如、頭の中から声がした。

フロースヒルデ(え……誰なの?)

声(ボクは杏(あんず)中将。

後方にいる元帥閣下の……片腕を勤めていたんだよ)

 このネコマタはどうやら元帥の部下のようだ。 でも、どうして私がこのネコマタの中に……

杏中将(質問は後にしたほうがいいと、ボクは思うな。 だってボク達はもうはめられ……)



おばさん「あはははは!!! まんまと引っかかったようだね!!!!」

 突如、玄関からおばさんが入ってきた。

 しかし、その態度は先ほどとは一変し、こちらを嘲るような態度を示している。

フロースヒルデ「おばさん、何の真似です!!」

おばさん「おばさん……失礼な事を言う小娘だねぇ……

あたしの名前は、マカマカ団アクロニア支部の幹部の一人……」


おばさん「裁縫ババアとは、あたしの事だよ!!」

 某サイヤ人のごとく、轟音とともに、おばさん……いや、裁縫ババアの髪の毛が金色に変わった。

 と同時に、かなり強い「気」の力を、裁縫ババアの体から感じ取ることが出来た。



フロースヒルデ「貴女は……一体? 何故、このような真似を!?」

裁縫ババア「何故って、そりゃ、あんたを消すためさ。

すでに混成騎士団のTOP連中と一部の有力冒険者は『ミジサイバー光線』でミジンコに変えてやったし……

後はお前さんのような軍属の有能な奴を消せば…… 馬鹿だらけの混成騎士団等、我らマカマカ団の敵ではないのさ」

 こちらが聞いてもいないのに、裁縫ババアは組織の秘密をこちらにバラしてくれた。

 長官達をミジンコにした犯人は、『マカマカ団』なる謎の組織だったとは……

 建物の中の標的をミジンコに変えてしまう辺り、かなりの技術力を持った集団のようである。

裁縫ババア「それにしても、この『ネコサイバーキャノン』の威力はたいしたものだねぇ。

これまでに、随分な数の冒険者をネコマタにしてやったもんさ。あはは……」

フロースヒルデ「……」

 そういえば、この所あちこちでネコマタ(杏)にされてしまった冒険者の姿を見かけていた。

 見かけてはいたが、まさか冒険者をネコマタにした犯人も、この裁縫ババアだったとは……



裁縫ババア「さて、冥土へのお土産はこのくらいにしておこう。 野朗ども!!」


戦闘員達「イー!!

 大勢の戦闘員達が、どこからとも無く現れた。

 しかし、私はどういう訳か緊張する気にはなれず……

フロースヒルデ「ザコ……プッ」

 思わず、噴出してしまった。

 その理由は簡単。 

 SSモードをオフにして、敵の名前を表示してみると……


 こんな名前が、戦闘員の上にされたからである。

裁縫ババア「何がおかしいってんだい!! こいつらの名前が、そんなに変だっていうのかい!?」

 裁縫ババアが逆ギレする。

戦闘員達「い、イー!」

 戦闘員達も、それにつられてヒートアップしてきた。


 しかし、いくら戦闘員の名前が『ザコ』とはいえ、こちらがおかれている状況は圧倒的に不利である。

 『ザコ』達は少なくみつもっても20人近くいる上、ボスの裁縫ババアはかなりの使い手と見える。

 それになによりも……


フロースヒルデ「今、私はネコマタだからな……」

 背負い魔・ネコマタは様々な支援魔法をかけてくれるありがたい存在であるが、いざ戦闘となるとホワイトファングやエコ坊あたりにも

やられてしまうか弱い存在である。

 なので、ブレイドマスターとしての技量がどれほど出せるか、大いに疑問であった。

杏中将(大丈夫だよ、お姉ちゃん。 ボクだって軍属のネコマタだから、厳しい軍事訓練は受けてるよ。

だから、お姉ちゃんの実力、問題なく発揮できると思うよ)

フロースヒルデ(うう…… でも、何だか不安だな)

杏中将(……嘘だと思うんなら、そのへんの『ザコ』に居合いなり旋風剣なり仕掛けてみなよ)

フロースヒルデ(……わかったわ)



 私は杏中将に促されるままに、近くにいた『ザコ』に居合いL5をかけた。

ザコ「たわばっ!!!」

 その居合い初段一撃で、『ザコ』はあっさりと沈んだ。

 与えたダメージも生身の頃と比較しても、それほど大差は無い。

杏中将(……ね、問題ないでしょ)

フロースヒルデ「確かに……どうね。 

じゃあ『マカマカ団』の皆さん、かかってきなさいな」

裁縫ババア「たかがネコ一匹が付け上がるんじゃないよ!! 者ども、かかれ!!」

ザコ(戦闘員)達「イー!!

 直後、おばさん……否、裁縫ババアのアジトは修羅場と化した。



一方、その頃……



Dr・藪「何とか目的のプリズムは入手したか…… さ、早いところフロース君と合流するとしよう」

藪先生はその頃、プリズムの開発者との接触に成功し、ブツを手に入れていた。

声「あ、藪先生、こんにちわ〜」

Dr・藪「む……君は……」


Dr・藪「ウルネ君か…… 帽子を被っている所からみて、本人のようだね」

ジークウルネ(本物)「はい。 今、NG(ニンジャギルド)の研修が終わった所なんで、これからフレイヤへ帰る所です。

先生は、一体何をなされているのですか?」

Dr・藪「何。私の用事は、たった今終わったよ。 これからフロース君と合流して、私も艦へ戻る予定なのだが……」

SE:ピーッ……

 突如、藪先生の内ポケットの携帯アラームが鳴った

Dr・藪「携帯アラーム…… ミュー君か」

 藪先生は携帯端末を取り出し、フレイヤとの通信を試みた。



ミュー「藪……済まないが大至急、フロースと合流してくれないか。

たったいまあいつから……SOS信号が発信された」

 いつになく、通信機の向こうミューの表情は緊張していた。

Dr・藪「それは構わないが…… 彼女の居場所は分かっているのか?」

 対する藪先生の方は、少なくとも表面上は冷静にミューの問いに答えた。

ミュー「お前も含む、フレイヤの乗組員全員に配ってある端末には…… お互いの位置が分かるように、発信機を取り付けてある。

端末のF1キーを押せば、他の乗組員の位置が分かるはずだ」

Dr・藪「F1キーね。 どれ……」



Dr・藪「なるほど…… 彼女の位置は分かった。 では、急いで合流しよう」

ミュー「すまない。 これからあたしも出るが、そっちも出来るだけ早くフロースと合流してくれ」

Dr・藪「了解だ。 では、後ほど……」

SE:プチッ(端末の電源・切る音)


ジークウルネ「先生……姉さんに、一体何があったのでしょうか……」

 ジークが不安そうに、藪先生の方をみやった。

Dr・藪「さあな。それは、彼女と合流してからでないと分からない。

しかし、彼女ほどの腕の立つブレイドマスターがSOS信号を発するとなると、余ほどの緊急事態が発生したのだろう」

ジークウルネ「先生…… 私も、ついていってもよろしいでしょうか?」

Dr・藪「それは構わないよ。 むしろ、ついてきてくれた方がこちらとしても助かる。

ただし……」

ジークウルネ「ただし?」

Dr・藪「安全の為、ウルネ君には私の胸アクセサリに憑依してもらうよ。 どんな危険があるか、わからないからね」

ジークウルネ「わかりました。 それでは……」

 藪先生は、胸アクセサリにジークが憑依した事を確認すると、私の反応が出た地点に向けて走り出した。



  一方、その頃……


フロースヒルデ「はぁっ……はぁっ…… もうSPが……」

 『ザコ』こと、戦闘員達はどうにか全員片付けたかが、こちらのSPももう底をつきてしまった。


裁縫ババア「あはは……もう息切れかい? だらしないねぇ」

 裁縫ババアがこちらを嘲笑する。

裁縫ババア「まあ、そろそろお遊びも飽きた。 ここで終わりにさせてもらうよ。

暗黒の力を借りて、今必殺のっ……」


裁縫ババア「ダークワールウイ……」


SE:ブスッ!!(何かが刺さる音)

裁縫ババア「ううっ……」

 短い悲鳴と共に、裁縫ババアは倒れた。

 背中には、大きな針が突き立っている。

 位置からして、明らかに心臓に直撃している。

 恐らく、即死であろう。


Dr・藪「『仕掛』をやるなんて大学院卒業以来だから、どうなる事かとおもったが……

我ながら、腕は鈍っていないらしいな」

 裁縫ババアの遺骸の背後には、裁縫ババアを針一本で刺殺した…… 藪先生の姿があった。

Dr・藪「む…… フロース君!」

ジークウルネ「いやああああっ!! ね、姉さんっ!!」

 藪先生と……彼女に憑いていたジーク(本物)が、私の……抜け殻のほうに駆け寄った。

ジークウルネ「そ、そんな!姉さん!目を開けてください!! ねぇっ!!」

 ジークはもう半泣きの状態で、必死に私の抜け殻をゆすったり、襟掴みピンタを食らわせたりした。

Dr・藪「ウルネ君、ちょっとどいてくれ。 今、脈を……」

フロースヒルデ「あ、あの……二人とも……」

ジークウルネ「え…… その声は……姉さん?」


フロースヒルデ「そう…… 訳あって、今私はこのネコマタ…… 杏中将の体の中に入っちゃっているのよね……」

杏中将「ボクは杏。 ボクのせいでお姉ちゃんまで巻き添えにしちゃって……ごめんなさい」

 本来の体の持ち主である杏中将が、二人に謝罪した。

ジークウルネ「それにしても姉さん……どうしてそんな姿に!?」

フロースヒルデ「どうもこのアジトにいた、『マカマカ団』って言う秘密結社の新兵器をまともにもらっちゃったらしくてね……

それで、気がついたらこんな有様に……」

杏中将「お姉さんがまともにあびた新兵器の名は『ネコサイバーキャノン』といいまして……

ボクのようなネコ魂を弾代わりに目標に向けて射出し、目標の魂とネコ魂を強引に融合させ、幽体離脱を引き起こさせる……

そんな原理の兵器と、きき及んでおります」

Dr・藪「なるほどね…… ネコ魂版『人間大砲』を、フロース君はもらってしまった訳か」

杏中将「はい。 ボクは少し前からマカマカ団に捕縛されてしまい…… 他のネコ魂達と一緒、『弾』として何日もあの壷に閉じ込められていたんです」

Dr・藪「そうか……君も災難だったね、杏君。

さて、まずはフロース君の体の方を診て見るとしよう。 何か問題が無ければいいんだが……」

 藪先生はそういうなり、私の抜け殻の脈を取ったり、聴診器を当てたりした。

 ……暫くのち、藪先生がこちらを向いた。

フロースヒルデ「先生、私の体、大丈夫でしょうか……」

Dr・藪「ああフロース君。安心してくれたまえ」


Dr・藪「脈拍も何もかも正常…… とりあえず、君の肉体は意識が無い事を除けば、健康そのものだ。

もっとも、何日もこのまま放っておいたらいずれ餓死してしまうが、それは点滴を打てば問題は無いだろう」

フロースヒルデ「そう……それはよかった」

Dr・藪「だが……」

 急に、藪先生は深刻な表情になった。

フロースヒルデ「? 何かまだ問題でも?」

Dr・藪「ああ。 私も今気がついたのだが…… 後ろに憑いている元帥の様子が……どうもおかしい」

フロースヒルデ「おかしいって…… 元帥?大丈夫?」


元帥「ぽっぽっぽ〜 はとぽっぽ〜 あめふるしんかいち〜」

 元帥の方をみやると、目に生気がまるで感じられず…… 意味不明な事をブツブツ言っていた。

 慌ててポケットの中に待機していた菫少将の方も呼び起こしてみたが、やはり元帥と同様、正気を失っていた。

ジークウルネ「藪先生……これは一体どうゆう事ですか?」

 ジークが不安そうに、藪先生に尋ねた。

Dr・藪「ネコマタという背負い魔は、主人の生命力を借りて、ネコマタとしての形を維持している。

その主人が何らかの理由で倒れてしまった場合……生命力の借りられなくなったネコマタ達は、いずれ消失してしまう……」

フロースヒルデ&ジークウルネ「そ、そんな……」

 私とジークは、思わず絶句した。



Dr・藪「ただ……幸いネコマタの直し方についてはミジンコ化のそれとは違い、すでに安全な治療法が確立している。

 ついでに、フロース君がかかってしまった精神融合についても、ちゃんと治療法はある。

 だからそんなに悲観する事もないよ、二人とも」

 藪先生は私達を安心させるべく、温和な口調で言った。

 と、その時である……




ミュー「フロース!!無事かっ!!

 突如、扉をロボの体当たりで蹴破り、ミューが部屋に突入してきた。

Dr・藪「ああ、ミュー君。 フロース君の救出には成功した。 だが、完璧に無事という訳では無いが……」

 私と藪先生は、これまでに起こった事をミューに説明した。



ミュー「なるほどな……事情はだいたいわかった」

フロースヒルデ「ごめん、ミュー。みんな。 私の不注意で……」

 元はといえば、私がネコマタになってしまったのは私自身の油断が原因である。

 なので、ミューを始めとした乗組員のみんなには、申し訳ない気持ちで一杯であった。

ミュー「過ぎた事を一々気にするな、フロース。 誰だって、ヘマする事はあるさ」

 しかし、ミューはそんな事は気にはしていない様子である。

ミュー「そんな事よりも、フロース…… 一つ、気に掛かることがあるんだが……」

フロースヒルデ「気に掛かる事?」

ミュー「さっき、お前はここが『マカマカ団』とかいう秘密結社のアジトだって言っていたな」

フロースヒルデ「ええ。 ついでに、長官達をミジンコにしたのも、自分達だって勝手に告白していたけど……

でも、それがどうかしたの?」



ミュー「マカマカ団という名前には、実は心当たりがあるんだ」

ジークウルネ「ええっ? 本当ですか?」

 ミューの思いがけない告白に、私達はびっくりした。

フロースヒルデ「ミュー…… マカマカ団って、一体……」

ミュー「あたしの知るマカマカ団っていうのは、この星の秘密結社じゃない。 他所の星の秘密結社だ。

たしか15年程前にある惑星でテロ活動を行った後、首領が謎の死を遂げて解散した事になっているはずだが……」

Dr・藪「同名の別組織って可能性は、ないのかね?」

ミュー「それはこれからこのアジトを家捜ししてみない事には、何とも言えないな。

でも、正気を失った元帥達があとどれだけ持つのかが心配だが……」

Dr・藪「消失すると言っても、二日や三日で消えるという物でもない。 故に、我々がこのアジトを家捜しする間くらいは、彼女達はもちこたえてくれるさ」

ミュー「……なら問題は無いか。 じゃあフロース。 フレイヤに戻る前にこのアジトを家捜ししようか」

フロースヒルデ「そうね。 ミジンコ化事件の手掛かりも見つかるかもしれないし、そうしましょうか。

じゃあみんな、『家捜し』をはじめるとしましょう」


                     
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