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                    日記第七回

本日の日記担当:ジークウルネ

 始めに:
 今回の日記は、他所様のブログとのクロスオーバーネタを主に扱っています。
 今回は主にECO家の一族のネタを主軸に扱っているので、『ECOの一族』を知らない方は先に
同サイトを見てから本文に入ると、より今回のお話が楽しめると思います。



某月某日 大タタラ場・クエストカウンター

ジークウルネ「はい、これが約束の氷鉄です」

受付嬢「はい、確かに氷鉄ですね。これでクエストは完了です。ご苦労様でした。

これが報酬になります、受け取って下さい」

ジークウルネ「はい」

 私は今、アイアンサウスの大タタラ場という所に居ます。

 ここは、本来なら装備品の強化を行う所のようですが、私はちょっと試しにここのクエストを受けてみました。

受付嬢「それにしてもジークウルネさんは凄いですね。まだレベル34なのに、もうサウスダンジョンに潜るなんて……」

ジークウルネ「い、いえ……私などは、まだLv相当の若輩者に過ぎません」

 実は今受け付けの人に渡した氷鉄、ミューさんが姉さんにプレゼントした「オーガアーマー」の材料、

『鬼鉄』を集める時に副産物として大量入手した物で、私が集めた物ではなかったりします。

 露店に出してもさっぱり売れなかったそうで、処理に困ったミューさんが「大タタラ場に貢いで経験値の足しにしてくれ」と譲ってくれた代物です。

受付嬢「ともあれ、『氷鉄集め』のクエストを15回もこなしてくれてどうもありがとうございました。

最近、このタタラ場のクエストをこなしてくれる冒険者の方がめっきり少なくなってしまっていて……

材料不足で製品の製作にも支障を来してしまっているという有様だったのですよ」

ジークウルネ「そ、そうですか……」

SE:ツルルルル……(内線電話の鳴る音)

受付嬢「あ、申し訳ありません。少々お待ち下さい…… はい、はい。いま、私の目の前にいます。

はい……わかりました」

SE:ガチャ(電話を切る音)

受付嬢「ジークウルネさん。社長がお呼びのようです」

ジークウルネ「社長さんが? 私に一体何の用でしょう?」

受付嬢「さあ……。 とにかく、社長室へ案内しますので、どうぞこちらへ」

 私は受付のお姉さんに案内されるまま、工場の奥へと向かいました。


大タタラ場 社長室

大タタラ場社長「いや君、いつもうちに氷鉄を納めてくれてどうもありがとう。

おかげで大助かりだ。社の代表として、礼を言わせてもらうぞ」

ジークウルネ「は、はい…… ありがとうございます」

 社長室に入るなり、いかも「アラブ系の富豪おじさん」といったなりの人が出迎えてくれました。

ジークウルネ「それで、社長さん。 私のような若輩冒険者に、一体何の用でしょうか?」

大タタラ場社長「実はな、わが社では今度からクエストを15回以上こなした冒険者に、特別なアイテムを販売する事にしたのだよ」
(※)実際は大タタラ場のクエを15回以上こなしても、特別なアイテムが販売されるという事はありません。

ジークウルネ「特別なアイテム?それは……」

社長「このクローバーワールドの著名ブロガー達の写真集だよ。 ここでしか手に入らない代物だから、遠慮せずに買っていくといい」

 と言って、社長は奥の棚から大きなジュラルミンケースを持ち出してきた。

 クローバーワールドの有名ブロガーさん達の写真集……時代はとうとうそんな所まで来たようです。

 実は私、ジークウルネにはその有名ブロガーさん達の中に一人だけ、憧れの人がいます。

 その人の写真集があればいいなと期待しつつ、私は社長が持ってきたジュラルミンケースの中を見てみた。





ジークウルネ「あった……」

私の憧れの人の写真集は、確かにあった。 しかもお小遣い全額はたけば、買えない値段ではなかった。

社長「お、お気に召した商品がありましたかな」

ジークウルネ「はい……。それではこの、『ル・ティシェの写真集』を一冊下さい

社長「はい、毎度。100Kね」

 ル・ティシェ(様)とは、ECO家の一族というサイトのヒロインみたいな人です。

 一度だけ、ファーイーストシティでそのお姿をお見かけして以来、すっかりほれ込んでしまいました。

 私には画像の無断転載という無粋な事はできませんので、具体的なお姿はECO家さんのページを見て下さると幸いですが、

その凛とした表情、クールなまなざし……どれを取っても最高です……。

 ファーイーストでのニアミス以来、今日まで彼女と接触する事はありませんでしたが、この写真集さえあれば、いつでも

あのお方のご雄姿が見られる……と思うと、胸の高まりを抑える事ができません。


 ……しかしこの写真集を買った事が、後に思わぬ騒乱を招く事になろうとは、この時の私には予想だにできませんでした。




戦闘庭フレイヤ 艦橋

ジークウルネ「はぁ……。ル・ティシェ様……」

艦に戻って、早速私は買ったばかりの写真集を眺めていました。



フロースヒルデ「ただいま、ジーク」

元帥「ただいま〜」

 そこへ、姉さんと元帥が帰ってきました。


ジークウルネ「あ、お帰りなさい。姉さん、元帥。 今日はどちらに行っていたんですか?」

フロースヒルデ「ちょっと南軍長官の所にね。なんでも、長官が私達に依頼したいことがある、と言って……」

ジークウルネ「南軍長官が?一体何の用でしょう?」

 この戦闘庭『フレイヤ』はアイアンサウス様式の家を使っている事からもお分かりのように、戸籍上は南軍に所属しています。

 私達は正規の南軍空軍とは違い、傭兵部隊という扱いを受けておりますので、南軍長官からの召集命令がない限りは

行動の自由は保証されています。

 これは『フレイヤ』だけでなく、他の南軍所属の戦闘庭にも言える事です。

 南軍は2F部分に大型ガトリング砲がついている、アイアンサウス様式の家が建てられるというのに加え、対空砲になるガトリング砲も

購入できるとあって、戦闘庭乗りには人気の軍だったりします。

フロースヒルデ「詳しい依頼内容は後で会議をするから、その時説明するわ。

ところでジーク。一体何の本読んでるの?」

 姉さんが私の持っている写真集をめざとく見つけた。

ジークウルネ「あ、これですか…… これはかの有名なル・ティシェ様の写真集です。

姉さんも『一族』のル・ティシェ様の名前くらはご存知ですよね」

フロースヒルデ「ええ。……で、この写真集、どこで買ったの?」

ジークウルネ「大タタラ場でですよ。 氷鉄15個も納めてくれたお礼という事で、特別に売ってくれた代物です」


フロースヒルデ「大タタラ場ですって!?

 大タタラ場という単語を聞いた途端、姉さんは何故か驚きの余り大声を上げました。

ジークウルネ「ね、姉さん。 大タタラ場が何か……」

 私の問いかけに、姉さんは一呼吸おいてから、こう返事をしました。

フロースヒルデ「詳しいことは後で説明するけど……その写真集、盗撮の疑いがあるのよ」


ジークウルネ「ええっ!?

 姉さんの口からでた衝撃の一言に、私も大声を出さざるを得ませんでした。


数時間後 戦闘庭「フレイヤ」艦橋

フロースヒルデ「さて……みんな揃った事だし、緊急会議を開きたいと思います。

今日の議題は他でもありません。 南軍長官からの依頼の件です」


ミュー「南軍長官が?一体あたしらに何の用だ?」

 シナモン虐待狩りから帰ってきたばかりのミューさんが、姉さんに尋ねた。

フロースヒルデ「実はね……」



数時間前 アクロポリス・南軍長官の部屋

フロースヒルデ「ご無沙汰しております、長官」

南軍長官「おお、フロースヒルデでは無いか。暫くぶりだな。よく来てくれた。

……元帥閣下もごきげんわるしゅうございます」

元帥「うん。この所大した事件も無くて、長官さんも暇そうだね」

南軍長官「いえいえ、我々騎士団には平時なら平時で、大量の仕事があるのですよ。 人手がいくらあっても、足りるものではありません」

元帥「そうそう。 特に書類の山の処理が……ね」

南軍長官「いやはや、まったくですなぁ。あれは下手なフィールドボスより遥かに太刀が悪いですな、元帥閣下」

フロースヒルデ「ところで長官……。此度の呼び出しは、一体何の用で……」

南軍長官「おお、そうだった……。少々長くなるので、順をおって説明するとしようか」



南軍長官「アイアンシティに『大タタラ場』という施設があるのは知っているな」

フロースヒルデ「ええ。何でも、あそこでは時折恐ろしい出来事(装備品&精錬結晶粉砕)が起こっており、

被害者の断末魔の悲鳴が辺り一帯に響き渡るとか」

元帥「付近の住民や一部の冒険者からは『粉砕工房』って呼ばれている、曰くつきの所だね」

南軍長官「ああ、その通りだ」

フロースヒルデ「で、その『粉砕工房』が何か……?」

南軍長官「実はな……、その『粉砕』……もとい大タタラ場の社長が、『装備品粉砕』以外にも重大犯罪を犯しているという情報が寄せられて来たのだ」

フロースヒルデ「重大犯罪?それは……?」


南軍長官「ズバリ『盗撮』だ


フロースヒルデ「えっ……盗撮……!?」

南軍長官「ああ。どうも奴ら、このクローバーワールドの有名ブロガー達を盗撮し……

それを写真集にまとめて法外な値段で密売しているそうだ」

フロースヒルデ「そうですか……現在の被害状況は、どんな感じですか?」

南軍長官「現段階では、『我がECO突き進む日記だ』、『Quartetto!』……それに、よりによって『ECO家の一族』……

この3つのサイトの所属キャラが盗撮の被害に遭っている。

しかも、撮られた側は、現段階では盗撮された事にすら気が付いていないのが実情だ」

フロースヒルデ「なるほど……」

南軍長官「とくに厄介なのが『一族』だ。 言いにくい事だが、彼らには今まで何度もいびられて来たからな……

捜査のかく乱をしてきた事も、一度や二度では無い……

そこで、サウス人による今回の不祥事。 今はまだ連中も気が付いていないようだが……」

フロースヒルデ「いつ彼らに感づかれて、何かしらの圧力をかけてきてもおかしくないと」

南軍長官「その通りだ。 特に、一族の長姉であるル・ティシェはかなりの切れ者だ。

出来る事なら、連中に気づかれる前にこの事件を解決したい。 そう、部外者の介入で捜査がかく乱される前に……だ」



元帥「だけど焦りは禁物だよ、長官。 功を焦って冤罪なんか起こしたりしたら、一族の人たちにいびられる所じゃすまなくなるからね。

長官の進退問題に発展するのは、まず避けられないよ」

南軍長官「は、はっ……元帥閣下。それは、わかっているのですが……しかし……」

元帥「しかしも何もないよ。 要するにに最終的に犯人を検挙、もしくは始末できれば、一族の人たちだって納得してくれるよ、きっと」

南軍長官「そうだといいのですが……」


フロースヒルデ「でも長官。盗撮犯の捜査に、何故私のような戦闘庭乗りを指名したのですか?

こういう仕事は、陸上部隊…… 特にスカウト系の人に任せるのが上策かと思いますが」

南軍長官「それなんだが……これを見てくれ。 さる筋で入手した、問題の写真集だ」

フロースヒルデ「なるほど……これは、ライさん所の黄彩君の写真集ですね。

でも、女性ならともかく、男の人を盗撮して何が楽しいというのでしょう」

南軍長官「さあな。それは私の方が聞きたいくらいだ。

ちなみに、女性キャラの盗撮写真集も、一冊だけ押収したのだが…… 今、別の隊員が捜査のため持ち出している」

フロースヒルデ「で、この写真集と、私のような戦闘庭乗りを今回の捜査に指名した理由……一体何の関係があるのでしょうか?」

南軍長官「写真集の中に飛空庭で撮られたと思われる写真があるだろう。 これを見て何か気づかぬか……」

フロースヒルデ「別に何も…… って、この写真のアングル……明らかに、近くを飛行する別の飛行庭から撮った代物ですね。

隠しカメラを利用して飛空庭の中から撮ったのでは、こんな写真は撮れません」

南軍長官「……その通りだ。 おそらく盗撮犯どもは飛空庭を使い、遠距離から望遠レンズを使って盗撮活動を繰り返していると思われる。

無論、家の中やダンジョンの中などで撮影した写真もあるので……盗撮犯は地上班と空中班の二手に分かれて活動しているものと推定される」

フロースヒルデ「私には、その盗撮部隊の「空中班」の方の捜査を依頼したい、と」

南軍長官「ああ、その通りだ。 フロースヒルデ、やってくれるかな?」


フロースヒルデ「はい。 盗撮行為は女性に対する重大な反逆行為。 ぜひとも協力させてください」

南軍長官「おお、やってくれるか。すまんな……」

フロースヒルデ「早速ですが、私はこれから艦に戻って対策を協議したいと思います。……ですが、帰るまえに一つだけ確認した事があります」

南軍長官「確認したい事? それは?」

フロースヒルデ「もし盗撮を行っている飛空庭を見つけた場合、どう対処しますか?」

南軍長官「基本は停船命令を発した上、中を検問するのが定石だ」

フロースヒルデ「停船命令に従わなかった場合は?」


南軍長官「……撃墜してかまわん



フロースヒルデ「……という事なの」

ジークウルネ「撃墜しろ…… とは、穏やかではないですね、姉さん」

フロースヒルデ「長官は、今回の事件を迅速に解決したいとも言っていた。 だから、多少荒っぽい手段に出ても構わないと」

ミュー「迅速に解決したい……ねぇ」

フロースヒルデ「長官本人も言ってはいたけど、長官としては他のブログ……特に『一族』に動かれる前の今度の盗撮事件、

解決したいみたいなのだけど……」



ミュー「それは無理だな、フロース

 唐突に、ミューさんが姉さんの言葉をさえぎった。

ミュー「一族の長姉、ル・ティシェさんはあたしの知る限り、相当な切れ者だ。 あのマヌケな南軍長官なんざ比較にならん。

何せ、ちょっとした部下の失言や、同じ職業の人の部活動まで探りだすくらいだからな」

フロースヒルデ「それは私も思ったわ。 あの南軍長官、こう言っては何だけど……楽天的過ぎるのよね」

ミュー「ああ。 恐らく、あの人は今回の盗撮事件の事にすでに気が付いているはずだ。

だから、現段階ではもう『一族』に気づかれずに事が済むとは、思わないほうがいい」



ジークウルネ「でも……」

私は、おずおずと口を開いた

フロースヒルデ「? 何?ジーク」

ジークウルネ「一族の人たちが動くにしても、彼らが成敗すべきは盗撮犯の人たちのはずです。

何ゆえ、私達南軍が襲撃を受けなければならないのでしょうか?」

ミュー「何、大した事じゃない。 あの長官、いままで散々あちこちのブログでネタにされたり、いびられたりしてたからな。

今回の事件の解決が遅れると、『捜査が怠慢だ』とか何とか、一族の奴らが南軍長官の所に怒鳴り込んで来る可能性が高いから……

これ以上、いびられたくないっていうのが本音だろう。 無論、『南軍の威厳を守る』という建前もあるにはるんだろうが……」

ジークウルネ「そうですか……」

 自分が怒られるのを未然に防ぐために盗撮犯を『撃墜』だなんて、ある意味長官も凄い人です。

 もっとも、ル・ティシェ様を盗撮した不届き物(あえて『者』とはしません)を許せるほど、私もお人よしではありませんが。



フロースヒルデ「まあ、あの長官と『一族』の事については、このくらいにしておきましょう。

で、捜査の方針なのですが…… まずは敵……大タタラ場の様子を探ってみましょう。

これは本来は南軍陸上部隊の管轄ですが、私達でも独自に、あそこの内偵をしたいと思います」

ミュー「なるほど…… で、人割はどうする?」

フロースヒルデ「ミューとジークにやってもらうわ。 本当なら私も行きたいのだけど・・・・・・

転職追い込み時に溜まった書類の山が、まだ片付いてなくて……」

 事実姉さんは書類の山に追われ、転職してから今日までに、ベースLvは2しか上がっていません。



ミュー「それはいいが、あたしはともかく、何でウルネまで潜入調査要員に指名したんだ?

お前が外回りの仕事にウルネを指名するんて珍しいな」

 ミューさんの言うとおり、私は体が弱いので、滅多な事では外で行う仕事が回ってきません。

フロースヒルデ「なんという偶然か、この子、もう大タタラ場の主と仲良くなって、問題の『写真集』を購入してきたのよ」

ジークウルネ「ミューさんのおかげですよ。 ミューさんがくれた氷鉄15個を収めたら、社長さんが感謝してくれて……

この写真集を売ってくれたんです」

ミュー「なるほどね…… ちょっと見せてくれないか、その写真集?」

 ミューさんに促されるままに、私は例の写真集を手渡した。

 そして、数分後……

ミュー「……フロース、ウルネ。 この写真集、『盗撮』とするには不可解な点がある」

ジークウルネ「不可解な点?それは……」


ミュー「結論から言うと……極めて健全な内容だという所だ

ジークウルネ「健全……」

 確かに、ミューさんの言うとおり、私の買った写真集はいたって健全な物で、着替えシーンとか、そういったハレンチな写真は

一枚もありませんでした。

ミュー「フロースもウルネも知っての通り、女性相手に盗撮犯が撮りたい写真というのは、着替え・入浴シーン・スカートの中と相場が決まっている。

なのに、この写真集にはその手の写真が一枚も無い」

フロースヒルデ「なるほどね…… もっとも、この写真集はジークのような女の子用に作った代物で……

男の子向けの物には、その手の写真があるかもしれないわね……」

ミュー「なるほどね……。 て、事はまだその手の写真が撮られていないという可能性は0になった訳じゃないって事か……」

ジークウルネ「……」

 今から考えると、私はル・ティシェ様を辱めた相手に100Kなんか出した事が恥ずかしかった。

 あの不届き物(くどいようですが、あえて『者』と訂正したりはしません)達には、いずれ何かしらの仕返しをしないとならないようです。

ミュー「他には……そうだな。 屋内で撮ったと思われる写真が、ちょっと赤みがかってるのが気になるな……

ウルネ、ちょっと今日いっぱい、この写真集を借りるが、いいか? ちょっと調べたい事があるんだ」

ジークウルネ「あ、はい。いいですよ」

フロースヒルデ「さて……会議はここまでにしましょう。 ミュー、ジーク。潜入捜査に出かける時はかならずペアで出て頂戴。

身の安全確保のため、単独で現地に向かったりしないようにね」

ミュー「了解」

ジークウルネ「了解です、姉さん」

 



翌日 アイアンシティ下層

ジークウルネ「潜入調査とはいいますけど…… 具体的に何をすればいいのですか? ミューさん」

 翌日、私はミューさんに連れられてアイアンシティまでやってきました。

ミュー「まずは前に写真集を買ったときと同様に、客を装って大タタラ場の主人に接触してくれ。 手土産となる炎鉄も、6個ばかり用意しておいた」

ジークウルネ「で、社長さんに会ったら何をすれば……?」

ミュー「まずは、新しい写真集が入っているか否かを調べてくれ。 新しい写真集が増えたという事は、すなわち被害者が増えている事を意味する。

盗撮の被害がどのくらいの速度で広まっているのか、それを確認したい」

ジークウルネ「なるほど……」

ミュー「で、ウルネ。 もう一つ、頼みたい事があるのだが……」

ジークウルネ「頼みたい事?」



ミュー「このバッグを、社長室の中で開けて欲しいんだ」

 ミューさんは、私に何とも奇妙な指示をしてきた。

ジークウルネ「バッグ……ですか。でもこれ、何も入ってませんよ?」

 バッグの重さは殆ど無いに等しく、中には何も入ってなさそうだった。

ミュー「種あかしは帰ってからするから、今は言うとおりにしてくれ」

ジークウルネ「は、はい……。 それでは、少し行って来ますね」

ミュー「ああ。無理はするなよ」

 ミューさんの見送りを受けて、私は大タタラ場へと足を進めました。



大タタラ場 社長室

社長「おお、また君か。 今度は炎鉄6個もどうもありがとう」

社長さんはこの前と同じように、表面上は紳士的な態度で出迎えてくれました。



ジークウルネ「社長さん。有名ブロガーさんの写真集の件なのですが……

新作の写真集は入っていますか?」

社長「おお、ばっちり入荷しているよ。 遠慮せずに見ていくといい」

 やはり写真集の新作=新たな犠牲者は増えているようだ。

 とりあえず、社長さんが持ってきたジュラルミンケースの中を改めてみる。



ジークウルネ「……」

 中にあった写真集の目録は、上の通りでした。 全て、新しい種類の物です。

 新たに「GRECO」さん所のキャラクターも犠牲になってるのに加え、「ECO家の一族」のキャラでは白美神さんや黒騎士さんといった、

あまり出てこない人まで盗撮犯の餌食になってしまっているようです。

ジークウルネ「新作の写真集は、全部でこれだけですか?」

社長「いや、これだけでは無いよ。 もっとも、今から持ってくるのは君のお小遣いで買えるような物かどうかはわからないが……」

 というなり、社長は奥の棚から黄金に光るジュラルミンケースを持ってきた。

社長「さ、見るだけならタダだから、見ていくといい」



ジークウルネ「えっ……」

ケースの中にあった写真集……の値札をみて、声を上げずにはいられませんでした。



ジークウルネ「凄い値段ですね…… こんな値段設定で、買ってくる人っているんですか?」

社長「ああ、いるよ。 とゆうより、この三冊が、現段階での売り上げベスト3なんだよ」

ジークウルネ「ええっ!?

 その社長の言葉を聞いて、私はさらに驚いた。

 詳しい事は『我がECO突き進む日記だ』さんや『GRECO』さんを参照していただきたいのですが、

この三冊の写真集の人たちは、いわゆる美形キャラでは無く…… 俗に言う『色物キャラ』です。

 美形キャラより色物キャラの写真集の方が高値で取引されるなんて…… 世の中の流行という物はよくわかりません。

社長「お気にめした物がありましたかな?」

ジークウルネ「あ、はい。では……」



ジークウルネ「この『ジアイナの写真集』を一冊下さい」

 私は特にこのジアイナさんという人には興味はありませんでしたが、ミューさんからもらったバッグ……



このバッグを社長室の中で開ける口実が作りたかったのと、手頃な値段だったので買ってみることにしました。

社長「はい、毎度。1Kね」

 写真集を社長から受け取り、本をバッグに入れようとして中を開けると、中からホコリが舞いました。

ジークウルネ(ミューさんったら…… バッグの中くらい掃除してくださいよ……)

そう心の中で呟きつつ、私は写真集をかばんの中にいれ、社長室を後にしました。


 
ミュー「お〜い!ウルネ、こっちだ」

タタラ場から出ると、早速ミューさんが出迎えてくれました。

ジークウルネ「あ、ミューさん……」

ミュー「色々話したい事があるんだろうが、ここでお喋りすると盗聴の恐れがある。 まずは『フレイヤ』まで戻ろう」

ジークウルネ「あ、はい」

私はミューさんに促されるまま、『フレイヤ』まで戻っていった。

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