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             日記第九回
今回の日記担当:S・ミュー


某月某日 アクロポリス・レッドスター軍南軍詰所


南軍長官執務室

南軍長官「つまりだ……ギガントG3型以降はメインウェポンが滑空砲に変更されているのだ。

ここで問題なのは、3型以降に装填されているのが、何故弾道が安定する遊翼弾ではないのか、という事なのだが……」

山吹中佐「そりゃ……あれやわ。 あれが開発された時は、主な敵は正規軍からテロリストに移行していたんやわ。

歩兵や軽車両が主武装な連中にとっては、貫通力より炸薬の多い大口径弾の方が有効やからな」

南軍長官「う…… よくわかりましたな、山吹中佐」

山吹中佐「分かったも何も、うちらネコマタはあの光の塔が現役で動いていた時代の者や。

空軍の砲術長やってた猫なら、ギガント各機種がどんな用途で使われていた事くらいは知っとるで」

南軍長官「いわれてみれば、確かに元帥閣下と始めとした『フレイヤ』のネコマタ達は・・・・・・光の塔が現役だった頃、

戦場で活躍していらっしゃったのですな。

……退屈でしたかな、私の講義は?」

山吹中佐「いや、そんな事はないで。 軍事関係の話なら、何度聞いても退屈せんで。 な、ミュー機関長」



ミュー「まあな。 もっとも、あたしが興味があるのは『光の塔』の機械系モンスターの内部構造についてだ。

あそこのモンスターとは何度か戦った事があるが、完全な状態で調査した事は実は一度もないしな。

……調査しようと触ると、襲い掛かってきやがるし……」

 あたしの正体をめぐる騒動から数日後。

 あたしは前々から聞きたい思っていた、南軍長官の『光の塔の機械系モンスター』に関する講義を聴きにいった。

 これも、本業である『未開惑星調査員』としての仕事のうち……『社会情勢調査』や『文化調査』といった仕事をフロースやウルネが

肩代わりしてくれるようになった為、時間的な余裕が出来たから出来た事だ。

 仕事がこんなに楽になると分かっていれば、どうしてもっと早くフロース達に自分の素性を明かせなかったのか……悔やまれるといえば悔やまれる。


南軍長官「そうか…… アレの内部構造を知りたいのか。

では、まずはフォックスロットシリーズの懸架構造について、熱い講義を3時間くらい……」

 南軍長官は南軍長官で、あたしが講義を受けたがっているのを嬉しがっているようだ。

 おかげで、軍が持っている機械モンスターに関する情報が手に取るように分かる。

 噂では南軍長官の講義は長すぎて殆どの騎士団員が聞くのを嫌がるそうなので、南軍長官も話し相手が少なくて困っていたのだろう。


山吹中佐「あ、ミューはん。もうそろそろタタラベギルドに『時限爆弾』を届ける時間や」

ミュー「ああ、いけねぇ……もうこんな時間か」



ミュー「じゃあ長官、その話は今度来た時にでもお願いするわ」

南軍長官「おお、そうか…… しかし君のような優秀な技術者が南軍にいると、心強いんだが……」

ミュー「確かにあたしは無所属の身だが……事実上『フレイヤ』の乗員として、南軍の指揮下に入っているじゃないか。

それに無所属の身だからこそ、手伝える事もあるだろう、長官」

南軍長官「まあ……それはそうだが……。

それと、話は飛ぶのだが…… この間君が作ってくれた軍事シュミレーター…… 確か『ファOコンウォーズ』といったな」

ミュー「あれはあたしが作ったもんじゃなく、発掘品のシュミレーターをレストアしたもんだが……

それがどうかしたのか?」

南軍長官「混成騎士団の上層部で、そのシュミレーターが非常に好評でな。 『ローコストで戦略のトレーニングが出来る』事が受けておる。

混成騎士団代表として、礼を言わせてもらうよ」

ミュー「は、はぁ、それはどうも……」


騎士団員A「長官、ブルームーン軍(北軍)長官から電文です。

『仕事が一段落したら、例のシュミレーターで勝負だ。 貴様の連敗記録を今日も更新してやろう』との事です」

南軍長官「そうか…… 奴にこう返電しろ」



南軍長官「『ペケ島が貴様の墓場だ』とな

騎士団員A「は、はっ」

 どうも話を聞く限り、南軍長官は北軍長官に連敗しているようだ。

 噂では北軍は元が魔術国家だけあって、頭の切れる者が多いから……あそこの長官はかなりの切れ者だと聞く。

 こういってはあれだが、ヘタレ濃度の濃い南軍長官ではちょっと相手が悪いかもしれない。

ミュー「じゃあ、あんまりマスター待たせるといけないから、あたしはこれで失礼するわ」

南軍長官「そうか…… では、またな」

 南軍長官に見送られ、あたしは長官室を後にした。



ギルド元宮2F タタラベギルド

タタラベマスター「……ったく、ルーンミッドガルツの廃人どもめ……」



ミュー「こんにちわ、マスター」

タタラベマスター「……おう、ミューか。3日ぶりだな。 今までどこいってたんだ?」

ミュー「ちょっとモーグ方面にな。光の塔の浅い所で転職までの追い込みをやっていた」

タタラベマスター「ああ、そうか……」

 ここで、あたしはタタラベマスターの機嫌がどうも悪い事に気がついた。


ミュー「なあ、マスター。どうも機嫌が悪いようだが……何かあったのか?」

タタラベマスター「……お前が塔篭りをしている間、俺もファーマーギルドマスターと一緒に外国の方へ偵察に出ていた」

ミュー「偵察って、何処へだ?」

タタラベマスター「ルーンミットガルツ王国 (※1)だ……」

(※1)ラグナロクオンラインの舞台となる王国

ミュー「ルーンミットガルツ王国……」

 ルーンミットガルツ王国……その名はあたしも聞いた事がある。

 アクロのはるか南西方向にあるといわれる王国で、冒険者の数も多く、いわゆる『廃人』と呼ばれる高レベル冒険者の数も多い。

 だが、その国の治安ははっきり言って最悪といって良いほどらしい。

 その最たる物が『BOT麻薬』と呼ばれる薬物。

 これを服用して寝ると、夢遊病状態で周りの迷惑を顧みずモンスター狩りをし、楽してLV上げ&金稼ぎが出来るとい代物らしい。

 この麻薬はノービスや一般冒険者は勿論、事もあろうに本来治安を守る立場にあるはずの騎士や聖騎士達の中にもこの麻薬の中毒者が

大勢いて、一向に摘発は進んでいないそうだ。

 もちろん、この麻薬中毒者の蛮行の被害にあったまっとうな冒険者達の心は荒み、かの国は半ば無法地帯と化している……

 らしいが、その国の調査は別の『未開惑星調査員』の担当なので、それ以上の事はあたしも知らない。

ミュー「あんな無法地帯にのこのこ偵察にいくなんて……マスターも度胸があるね。

機嫌が悪いことから察するに……ヤク中か廃人にでも絡まれたのか?」

タタラベマスター「いや。 確かに絡まれた事は絡まれたが……あんな奴ら、タタラベ最終奥義「DOGEZA」の敵じゃなかったぜ。

俺がもっとも腹が立ったのは……あの国のブラックスミスどもの態度の悪さだ」

ミュー「態度の悪さ……?」


タタラベマスター「ミュー。唐突に問うが、タタラベの掟第5条は何だ?」

ミュー「『石ころだって貴重な資源。故に粗末にするべからず』……だよな」

タタラベマスター「ああ、その通りだ。 お前も知っているかもしれないが、石ころは研磨剤や砂……もっと大物では『城』の材料になる。

キャパに余裕が無いというのなら話は別だが、タタラベたるもの、路傍の石ころもきちんと拾って帰るが基本だ」

ミュー「今更言われなくても、あたしはなるべく持って帰るようにしているよ、『石ころ』は。

買取ゴーレムに投げればちょっとした小遣いになるし……『石ころ』も意外と侮れないんだよな、マスター」

タタラベマスター「そうか…… 流石は、タタラベギルド出身のエースだけあるな。

何せこの四葉ブログ界には、タタラベギルド出身の大物はお前くらいしかいないからな……」

ミュー「え、エースって……それは買いかぶりもいい所だぜ。

……で、話を元に戻すが……、その話とルーンミットガルツのブラックスミスどもの態度の悪さと、どういう関係があるんだ?」



タタラベマスター「……結論から言うと、ルーンミットガルツの鍛冶屋どもは物を粗末にしすぎる。

自分の作った物がちょっと気に入らないからって、高価な材料を使って作った武器を盛大に折ってその場にポイ!(※2)

……ってのが当たり前に横行している」

(※2)これは私の創作ではなく、ラグナロクオンラインの公式設定(ROのブラックスミスが武器製造を失敗した時の設定)だそうです

ミュー「え……そんな事が」

タタラベマスター「あるんだ。 俺も実際にこの目で見るまでは信じられなかったね……

他にも、奴らの全部が全部とは言わないが……鋼鉄や鉄の精錬にも良く失敗して、残った鉄くずをその場にポイ! って事もやっている」

 ここで、あたしはタタラベマスターの怒りのオーラが噴火寸前にある事に気がついた。


タタラベマスター「自分の武器が気に入らないから折るのは構わねぇが、

せめて折った残骸を溶かすなりして再利用しろよ!!

そこらの鉄くずだって、集めて精錬すればまた鉄になるんだぞ!!

お前らのような物を粗末にする様な奴らに、金属を扱う資格はねぇ!!


 持っていたチタンメイスを素手でバキッと折りながら、私めがけてタタラベマスターは怒鳴ってきた。



ミュー「あ、あたしに怒鳴ったって何もならないだろ、マスター。

そもそも、こんな所(アクロニア)でルーンミッドガルツの奴らの事話しても何にもならないだろ?」

タタラベマスター「……まあ、言われてみれば確かにそうだな。

もうこの話はこのくらいにしよう、ミュー。 今思い出しても非常に腹立たしいしな……」

ミュー「……そうだな。 あ、マスター、これが頼まれていた『時限爆弾』90個だ。 確認してくれ」

タタラベマスター「おお、いつもすまんな」

あたしはタタラベマスターに、時限爆弾90個を渡した。

タタラベマスター「確かに確認した。 これは報酬だ、受け取ってくれ。」

 タタラベマスターはあたしにお金と鉄のナゲット……それに経験値をくれた。

 するとどこからとも無くファンファーレが鳴り、あたしのJobLvが上がったことを知らせた。

タタラベマスター「お、JobLvが上がったのか……おめでとう。

で、今JobLvはこれで何になった」

ミュー「50……だ」

 JobLv50到達……これはどの職業に取っても、その職業の最終奥義を覚えられる資格を得た事を意味する。

 もっとも、タタラベの最終奥義は効果は抜群だが、人前で醜態を晒すという欠点があるのが玉にキズだが。



タタラベマスター「そうか…… という事はお前もいよいよ、ブラックスミスに転職する時が来た、という事か」

ミュー「ああ、その通りだ」

 この世界で機械技師(マシンナリー)の資格を得るためには、まずブラックスミスの資格を取る必要がある。

 ここまで来るのに正直何日かかったのか、自分でも見当がつかない。

 いや、転職自体はやろうと思えばいつでも出来たのだが、前述の通り最終奥義を覚える都合上、今日まで転職を見送っていたのである。

タタラベマスター「よし、いいだろう。 ブラックスミスになるために必要なのは、鉄火場の炎に耐えられる鍛えられた肉体だ。

炎の化身を身に宿し、ブラックスミスに相応しい体になってまた戻ってこいっ!」

ミュー「炎の化身っていうと…… サラマンドラの事か?」

タタラベマスター「ああ、その通りだ。 彼らの総本山は鉄火山の山頂にある。

さあ、行ってこい!」


ミュー「了解だ。 じゃあ、ちょっくらいってくるよ」

 あたしはタタラベマスターに別れを告げると、ギルド元宮を後にした。




アップタウン上空 戦闘庭フレイヤ



ジークウルネ「あ、ミューさん、お帰りなさい」



ミュー「只今……といってもまたすぐに出るけどな。 ブラックスミスへの転職のために、これから鉄火山にいかなきゃいかん」

 あたしは準備の為に、アクロポリスに駐留してある『フレイヤ』へと一旦戻った。

ジークウルネ「そうですか……という事はついに、JobLv50になったんですね。

おめでとうございます、ミューさん」

ミュー「ああ、ありがとう、ウルネ」

ジークウルネ「お話は飛びますが、実は私もこれから出かける所なんですよ」

ミュー「出かけるって……どこへだ?」

ジークウルネ「ECO家の一族さん主催のクイズイベントに参加するんですよ。 憧れのル・ティシェ様に生でお会いできると思うと、

もう今から胸が張り裂けそうで……」

ミュー「……そうか。まあ、揉め事起こさない程度に頑張って来い」

ジークウルネ「あ、はい。ミューさん」

ミュー「……っと、そうだ」

 ここで、あたしは唐突にある事を思い出した。

ミュー「この間の連続盗撮事件の折、お前が100Kも出して買った『ル・ティシェの写真集』…… あれ、あれから一体どうした?

今、一族のイズベルガさんが血眼になって、一族関係の写真集を回収しようと奔走しているようだが……」


ジークウルネ「しまった!!

 あたしの指摘に、ジークウルネの表情がみるみる青くなった。


ジークウルネ「ど、どうしよう……すっかり忘れてた……

もし私がまだ持っているの見つかったら、イズベルガさんにひっぱたかれるか、母者さんに三枚に下ろされちゃう……」

ミュー「落ち着け、ウルネ。

下手に隠すと、返って彼女達の逆鱗に触れる事にもなりかねん。 ここは素直に、一族の誰かに返して来い。

自主的に返納すれば、一族の人たちだって悪くはしないだろう」

ジークウルネ「で、でも……もし、イズさんや母者さんが怒りだしたら……」

ミュー「ウルネ、この期に及んで何をビクつく事がある」


ミュー「女は度胸。喧嘩でもそうだが、弱みを見せたらおしまいだぞ、ウルネ」

 青くなるウルネに、あたしは喝を入れた。

ジークウルネ「は、はい。ミューさん」

 その甲斐あってか、心なしかウルネの表情が少し明るくなったようだ

ミュー「それに万が一一族の誰かがキレ出したりしても、逃げる手段はあるんだろ?

マジックメデューサで動きを一時的に止めたり、お前の必殺技である『遠距離憑依』使って、遠方にいるフロースかあたしに憑依したりと……」

ジークウルネ「は、はい。いざとなったら、『遠距離憑依』で姉さんかミューさんに憑依したいと思います」

ミュー「それがいいな。絡まれたら下手に噛み付くより、逃げた方が利口だ。」

ジークウルネ「そうですね……っといけない、もうこんな時間だ」


ジークウルネ「それじゃあミューさん、いってきますね」

ミュー「ああ、気をつけてな」

 例の写真集を持ち、ウルネは艦を後にしていった。

ミュー「さて……藍副長。済まんがあたしも出る。

いつもの通り、留守番を頼む」


藍副長「了解しました、ヌシ様。 どうかお気をつけて」

 必要な物をタンスから出すと、あたしは山吹中佐を連れて艦を降りた。

 目指すはアイアンサウスは鉄火山だ。




てOのす亭(弁士)「やってぇん きやした アイアンサウスの くにぃ!
よぉっ……ペンペン!!





鉄火山麓

ミュー「さて、これといった障害も無く山麓についたか。 中佐、このまま一気に頂上まで突っ切るぞ」

山吹中佐「了解や。ミューはん」


鉄火山 中腹

ミュー「……何だか、妙に静かだな。 ラバープルル以外、モンスターの影も無い」

 鉄火山の中腹まで上ったが、普段なら1〜2体はうろついているはずのギーゴやロックイーター、フルフルやブリキングといった

アクティブモンスターは一体たりともみかけなかった。

山吹中佐「こりゃ、あれや…… どこかに集中的に溜まっているとちゃうか」

ミュー「そうだな…… 念のため、中佐は一旦あたしの荷物の中に退避だ。 巻き添えを食うのは嫌だろ?」

山吹中佐「そうやな……そうするわ」

 そういうと、山吹中佐はあたしのリュックの中に退避した。

ミュー「中佐の安全を確保したした所で、早いところ山頂を……」

声「待てぃ!!

 突如、山の上の方から大声がした。



声のした方を向くと、ロックイーター、フルフル、ブリキング、それにギーゴの四匹が仲良く並んでいた。

ギーゴ「動物虐待者ミュー! うちの声、まさか忘れたとはいわさんぜ!!」

ミュー「……生憎だが、あたしは人語を話すギーゴに知り合いはいないよ」

ギーゴ「日記第五話をもう一度見てみ!! うちは『アクロニア動物愛護戦線』……略して『愛護戦線』のリーダー、おぐらや!」

ミュー「おぐら…… ああ、あの時世界一周させてやった、あの赤クマ野朗の事か。良くもまあ、生きてたもんだ」


ミュー「で、お前ら。そこで仲良く並んでいると往来の邪魔だから、どいてくれるか?

悪いけど、あたしは急いでいるんでね」

ギーゴ「残念だがその申し出は却下や! うちらはお前を始末する為に、ここで待ち伏せしてたんやからな!!

この日の為に開発した、この新型マリオネットをもってな!!」

ミュー「なるほど、新型マリオネットねぇ…… どうりで、みんな揃って鉄火山のモンスターの格好をしている訳か。

まあなんにせよ、どく気が無いっていうんなら……」



ミュー「みんなまとめてぶっ飛ばす

ギーゴ「上等や! みんな、やっちまえ!!」

手下達「へい、親分!!」



ミュー「バニシングブロウ!!」

ロックイーター「お、お助けー!!」


ミュー「なめてんじゃねえよ!!」

フルフル「おかーちゃーん!!」

 左右から襲い掛かってきたフルフルとロックイーターを、あたしは難なく沈めた。

山吹中佐「ミューはん、危ない!後ろや!!」


ブリキング「食らってくんねえ!」

ミュー「ぐっ……」

 ブリキングの鉄拳を、不覚にもあたしはまともに浴びてしまった。

山吹中佐「ミューはん、大丈夫なん?」

ミュー「平気だ、このくらい。 さて、それなりの返礼はさせてもらわないとな、ブリキングさんよ」

 あたしは以前覚えたこの必殺技で、殴ってきたブリキングに返礼する事にした。


(※)ECOにはこのようなスキルは存在しません。


ミュー「棒術スペシャル!!

ブリキング「ぐはっ!!!」

 相手が死ぬまでこの技でハメてやろうと思ったが、最初の一発でブリキングはあっさり倒れてしまった。


ブリキング「しくしくしく……」



ギーゴ「くっ……何故だ。何故新型マリオネットが奴に通用しない……?」


ミュー「そりゃ……簡単だ。 お前らが新型マリオネットの実力に頼り過ぎて、自分自身の鍛錬を怠ったからだ」

 事実、奴らはパワーとスピードはあったが、動きの粗さは軍艦島で対峙した時とそれ程変ってはいなかった。

 しかし、三匹との対決でこちらも随分と体力を消耗してしまったのもまた事実であった。

山吹中佐「ミューはん、荷物の中に『マリオネット・サラマンドラ』があったやろ? あれに憑依すれば、消耗した体力を回復しながら戦えるで」

ミュー「そうか……」

 しかし、正直いってあたしはマリオネットに憑依するのが苦手だ。

 フロースやウルネはほぼ100%マリオネットに憑依できるが、元々異星人のあたしはせいぜい6〜7割の成功率といった所だ。

 が、ダメモトでやってみるのも悪くないと思い、憑依してみた。



ミュー「よし、成功だ…… さ、覚悟はいいな、似非動物愛護団体の会長さんよ」

ギーゴ「ひっ……お助け……」

 意気地の無い事に、ギーゴは逃げようとする。

 が、もちろん素直に逃がしてやるほど、あたしもお人よしでは無い。


ミュー「世界一周バニシングブロウ!!

ギーゴ「GYAAAAAAA!!!


ギーゴ「も、もうだめ……ゆ、許してぴゅー……」

 渾身のバニシングブロウがクリーンヒットし、ギーゴ(に憑依した動物愛護団体会長)は世界一周の後、事切れた。


ミュー「ふう、てこずらせやがって……。 さ、いくぞ、中佐」

山吹中佐「あ、ちょっとまった。 あそこにロックイータースタンプが落ちとるで」

ミュー「おお、危うく見逃す所だったぜ。 サンキュー、中佐」

 あたしはロックイータースタンプを回収すると、山頂へ向けて歩き出した。

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