日記28回目
注意:
今回記事内で描写されたドミ界の様子・設定は、2008年5月当時(ドミ界実装当時)の物を元に執筆されております。
この為、2008年7〜8月に予定されているドミ界大改革(無差別PvP廃止等)の内容は、この記事内では反映されていません。
予め、ご了承下さい。
以上ご了解の上、続きをお楽しみ下さい(2008/6/19 追記)
今回の日記担当:C・K・ホワイト
某月某日 フレイヤ艦橋
ホワイト「只今〜」
ミュー「おかえり、ホワイト。 ってその格好……」
ホワイト「はい。 ようやくLv80になったんで、このドレス(スウィートハートドレス融合のお出かけ服)を着れました」
以前の話でお出かけ服融合のドレスを貰って以来、遺跡や海賊島で修行する毎日が続いていました。
その甲斐あって今日、ようやくベースLv80になり、ドレスを着る事ができるようになりました。
ミュー「まあ、なにはともあれおめでとう、ホワイト」
普段は厳しいミュー先輩も、今日ばかりは素直に祝辞を述べてくれました。
ミュー「ところでホワイト。 本業のレポートの期限、今週末だったはずだが…… お前、どこまでレポート進んでる?
あたしはもう書き終えたが……」
ホワイト「!!」
レポートという単語を聞いて、私は重大なミスティクをやらかしてしまった事に気がつきました。
日記21話を見ていただいた方にはお分かりかと思いますが、私やミュー先輩の本業……『マーズ連邦未開惑星調査員』のお仕事の一つに、
『レポートの提出』という物があります。
このレポートは私達の本国であるマーズ連邦に、その星の内情を報告するための物で、私達未開惑星調査員は定期的に、
本国にこのレポートを提出せねばなりません。
ミュー「……おい、ホワイト。まさかとは思うが、お前今の今までレポートの存在を忘れていたんじゃないだろうな?」
ホワイト「うう……先輩。 そのまさかですよ…… ああ、どうしよう。いまから手をつけて間に合うかな……
いい加減な事書いたら、あとで怒られるし……」
ミュー「……やっぱりな。 ホワイト、事情は分かったからとにかく落ち着け。
今から徹夜して頑張れ。 あたしも手伝ってやるから」
ホワイト「あう……すみませんです、先輩。
で、今回のレポートのテーマ、何にしよう……」
ミュー「レポートのテーマねぇ……」
ミュー先輩は少し思案をめぐらすと……
ミュー「そういえば、この間ドミニオン界への入り口が開いたらしいな。 今回は一つ、ドミ界の調査って事でどうだ?」
ホワイト「ドミ界の調査……ですか。 でもドミ界の調査ってたしか半年くらい前……藪先生が初登場した話(14話)で、
ミュー先輩も長官からやるようにって言われてませんでしたっけ?」
勿論、ここで私の言う『長官』とは有名な南軍長官の事では無く、私達未開惑星調査員のリーダーの事を指します。
ミュー「しまった!忘れてた!!」
今度は、ミュー先輩が驚く番でした。
ミュー「やばい…… 期限が無いって言うからすっかり放置してたよ。
もうそろそろ中間報告出さないと、何言われるか分かったもんじゃ無いな」
ホワイト「ダメですよ、ミュー先輩。 いくら期限が無いといっても、長官の命令をほったらかしにしちゃ。
……でも、ミュー先輩もドミ界の事調べる必要があるのでしたら、今回は私達二人で、ドミ界の事を調査しませんか?」
ミュー「……そうだな。それがいっか。
まずは『フレイヤ乗組員の中で一番ドミ界に詳しい人物』に、聞き込みをしてみるとするか」
ホワイト「了解です〜」
無論、ミュー先輩の言う『フレイヤ乗組員の中で一番ドミ界に詳しい人物』とは、ただ一人しかいません。
藪医院(藪の庭)
ホワイト「さて、例によって『休診中』の看板が掲げられてますけど……藪先生いるかな?」
ミュー「というより、『診療中』の看板が掲げられている所を見たことがないんだが……」
私達が藪先生の庭にたどり着いたその時です。
一葉「あ、ミューはん。 それにホワイトはん。 今、藪先生は接客中どすえ」
一匹のリリカル『一葉』が、私達に声をかけてきました。
この子は元々はノレン君が拾ってきたペットなのですが、ここ最近は藪先生の庭に住み着き、先生の身の回りの世話をしています。
ミュー「そっか……来客中なら仕方が無いな。 一旦出直すから、客が帰ったらフレイヤに連絡を入れてくれ」
一葉「ミューはん、それが……」
一葉ちゃんは、何故か深刻そうな表情を浮かべました。
ホワイト「? どうしたの?」
一葉「……そのお客さんが来てから、先生は何故かすごく機嫌が悪いんどす。
怒鳴ったりこそしませんが…… あんなに怖い先生、うち、見たことあらへん」
ミュー「藪の機嫌が悪いか……」
藪先生は自分の感情を殆ど表に出す事が無く、諸事、冷静に物事に対処する事をモットーとする人です。
その藪先生が一葉ちゃんが怖がる程、不機嫌さを表に現すなんて……何かあったとしか思えません。
ホワイト「私、ちょっと中の様子を偵察してきますね。 先輩は先に、フレイヤに戻っていてください」
ミュー「……わかった。 だが、相手は他ならぬ藪だ。
くれぐれも、油断はしないようにな」
ミュー先輩はそれだけ言い残すと、藪先生の庭を後にした。
ホワイト「さて、藪先生は非合法暗殺者『仕掛人』もやっている人だから…… 単純にクロキンで内部潜入をやってもバレちゃう可能性が高いわ」
一葉「……そうでっしゃろ。 で、どうやって中の様子を偵察するんえ?」
ホワイト「そうね…… とりあえずクロキンを使って」
ホワイト「ベーシックな手ではあるけど、窓から中の様子を偵察しましょう」
藪医院内部
藪「……何度も言わせるな。 帰れ」
客人に背を向けたまま、冷たく藪先生は言いました。
私の位置からだと藪先生の表情は見えませんが、一葉ちゃんの言う通り、その言葉には不機嫌さが色濃く表れています。
こんな不機嫌な藪先生の声、私も聞いた事がありません。
女の客「生憎、私達だって総簡単に『はいそうですか』とは言えないのさ」
ドミニオンの女性「あんたも知っての通り、以前からドミニオンの世界では、機械生命体『DEM』との戦争が続いている。
その戦況が最近ヤバくなってきたんだ」
ドミニオンの男性「で、俺達レジスタンスは種族は問わないから…… 優秀な戦士と優秀な医者を集めている。
藪さんよ…… 『優秀な戦士』と『優秀な医者』の両看板を兼ね備えたあんたが、こんな所で呑気に油を売っているなんて……
故郷の同胞に失礼だとは思わないのか?」
お客さんはお客さんで、一歩も引き下がる気配をみせません。
藪「やれやれ……私はこう見えても、何かと忙しい身なのだよ。『ドミニオン・アクロニア王国(以下アクロニア王国)』の残党諸君。
それに…… お前達の祖国がDEMどもに遅れをとったそもそもの原因は……
かつてアクロニア王国が制定し、今でも旧アクロニア王国領内で施行され続けている『愚策』にある事に、まだ気がつかないのかね?」
ドミニオンの女性「!? 愚策ってなんだい!?
あたし達のやり方に、ケチをつけようっていうのかい!?」
ドミニオンの女性が激昂しました。 自分の祖国を侮辱されたのが、逆鱗に触れちゃったみたいです。
藪「有体にいえば、その通りだ」
が、藪先生は全く動じる様子をみせず、ゆっくりと振り返りました。
藪「私の言う『愚策』とは、フィールドチャンプ制度……有体にいえば『PVP』だ。
DEMという外敵がいるのに、同胞同士で戦うのを奨励するなど…… 正気の沙汰とは思えん。
聞けばドミ界のアクロポリスが陥落して、ウェストフォート一国に押し込められた現在でも……お前達はこの愚策をまだ続けているらしいな」
ドミニオンの女性「あ、あれはだね…… 『同胞同士で互いに競わせる事により、お互いの戦闘能力を高めていく』という狙いがあるのさ!」
藪先生の指摘に、ドミニオンの女性はむきになって反論してきました。
藪「……企業同士であれば、確かにお互いを競わせる事により『競争原理』を働かせ、お互いの技術やサービスを向上させるという手も通じよう」
藪「だが結局の所、戦いは『兵力』と『結束力』が物を言う。
少しPKが得意なだけの強者が少数いたところで、数の暴力の前には無力だ。
それに…… いつ寝首をかかれるかも知れない相手と一緒にいては、軍に必要な『結束力』など発揮できる訳が無かろう」
心の中に潜む嫌悪感を隠そうともせず、藪先生は冷たく言いました。
どうも藪先生は、お客さんのドミ二人の祖国である『ドミニオン・アクロニア王国』が嫌いみたいです。
藪「……いずれにせよ、PVPなどという愚策を続けている限り、君達レジスタンス……否、アクロニア王国残党軍に未来は無い。
味方同士で常に争っているような烏合の衆が、統制の取れたDEM軍に対抗出来ると思ったら……おめでたいにも程がある。
そんな愚か者どもの集団には例えブーストパパを山と積まれたって、協力したくは無い」
冷たく、藪先生はお客さん二人に言い放ちました。
ドミニオンの男性「……言いたい事は、それだけか!?」
その言葉に、とうとうお客さんの一人がぷっつんしてしまいました。
ドミニオンの男性「なあ藪さんよ。 さっきから聞いていれば俺達レジスタンスの悪口ばかり言いやがって……
あんた、さてはアクロニア王国の出身じゃないな!! 出身国はどこだ!?」
藪先生に向かって怒鳴るお客さん。
藪「私の国籍もろくに調べてないとは…… 救いがたい低能だね、君も」
藪先生は藪先生で、一歩も引く素振りをみせません。
そしてゆっくりと、藪先生は席から立ちました。
藪「私の祖国は『南州列藩同盟(なんしゅうれっぱんどうめい)』と言う。 それがどうかしたかね?」
ドミニオンの男性「なっ……」
ドミニオンの女性「あんた……」
藪先生が自分の祖国の名前を明かすと、お客さん二人は何故かファランクスに撃たれたかのように硬直してしまいました。
そして次の瞬間……
ドミニオンの女性「あんた、嫌にあたし達に反抗的だと思ったら……列藩同盟の人間だったのかい!?」
ドミニオンの男性「……列藩同盟の人間と知ったからには、生かしておくわけにはいかないな。
あんたほどの人材を殺すは忍び無いが…… これも天命だと思って往生しな!!」
そして何故か剣を抜くお客さん二人。 理由は定かではありませんが、お客さん二人も、藪先生の祖国『南州列藩同盟』を相当嫌っているみたいです。
にわかに場は、殺気だってきました。
が……
藪「一応言っておくが、先に抜いたのは……君達だからね」
一瞬にしてお客さん(女)の背後に回った藪先生。そして……
SE:プス
ドミニオンの女性「!!」
藪先生お得意の『殺し針』を撃たれ、お客さん(女)は地面に倒れてしまいました。
ドミニオンの男性「なっ……貴様、よくもやってくれたな……」
SE:プス
ドミニオンの男性「うう……」
お客さん(男)の方も藪先生に『殺し針』を撃たれ、お客さん(女)の後を追いました。
そして、後に残ったのは静寂。
藪「また、つまらん者を仕掛けてしまった……」
床に転がっている二人を眺めると、藪先生は一人、呟きました。
藪「……ホワイト君。 もうカタはついたから、入ってきて構わんよ」
そして窓の外にいる私に向かって、藪先生は呼びかけてきました。
藪「すまないね、ホワイト君、それに一葉君。見苦しい所を見せてしまって」
すまなさそうに、藪先生は私に言いました。
もう先生の表情、声は普段のそれに戻っています。
ホワイト「いえいえ。 ところで部屋の隅で簀巻きになっているドミさん二人、どうするんですか?」
藪先生の『殺し針』にやられたお客さんのドミ二人は死んではおらず、麻酔を掛けられたのかグーグー寝てしまっています。
どうやら藪先生は、今回は相手を殺すつもりは無かったようです。
藪「さっき南軍長官には連絡を入れておいたから、後で突き出しておく。 暫く彼らには、塀の中で反省してもらおう。
流石に始末したりすると、後で彼らの仲間から報復を受けかねないからね」
ホワイト「なるほど……」
藪「……ところでホワイト君、今日は一体何の用かね? まさか、さっきの喧嘩を眺めるために、ここに来たのではあるまい」
ホワイト「ええ。 今日尋ねたのは定期レポートのネタとして、ドミ界の事を調べたいと思って来たんです。
でも、その前に……」
私は先ほどの藪先生達の喧嘩を見ていて、一番気になった事を口に出しました。
ホワイト「先生、巷の噂ではドミ界はDEMさん達に襲われて大変な事になっているという話です。
先生にも色々事情はあると思いますが…… お医者さんの端くれとして、何ゆえドミ界に戻ろうとしないのですか?」
藪先生は一見かなりのめんどくさがり屋に見えますが、医者として使命感は結構高い方だと個人的には思っています。
その藪先生が、ドミ界の方の要請を一方的に突っぱねるなんて……余程の事があると私は見ました。
藪「……ホワイト君。とみに問うが、医者が必要な場所というのは、戦地だけかと思うかね?」
ホワイト「え?」
藪「平和なエミル界にだって、急病で倒れたり、感染症に犯されたり、モンスターに襲われて重傷を負うケースも多々あるだろう。
ホワイト君。 例えばミュー君が急病にかかってしまった場合、私を含む医師連中が身近にいなかったら……どうするかね?」
ホワイト「そ、それは……」
どうしようもない、という事は言わなくても分かりました。
この惑星にはウァテスの治療魔法という便利な物もありますが、感染症などの病気を治療するには、やはりお医者さんの助けを必要とします。
藪「……ウルネ君だってそうだ。 彼女は最近元気に活動しているから、つい忘れがちになるが……
ウルネ君は元来、病弱な体質である事を忘れてはならない。
いつ些細な事で倒れたり大病を発症しても、不思議では無いと私は見ている。
他のメンバーにしても、いつ何時、私の処置を必要とする事態に陥るかも知れない」
ホワイト「……」
藪「……故にフレイヤの軍医を勤める身として、一時の感情で軽々しく持ち場を離れる訳にはいかないと思っている。
いざ必要な時に不在なのでは、『何の為の医者だ』、という事になるだろう。
……これが私がドミ界に行かない第一の理由だ。 納得してくれたかな?」
ホワイト「はい…… その点については、何となく理解しました。
でも、『第一の理由』という事は、第二の理由もあるわけですよね?」
藪「そのとおりだ。 第二の理由というのは、『政治的な理由』だ」
ホワイト「政治的な理由?」
藪「エミル界・タイタニア界と同じように、ドミニオンの世界にも色々な国家が存在する。
聞いての通り私は『南州列藩同盟』という国の出なのだが…… わが国と『ドミニオン・アクロニア王国』は極めて仲が悪くてね」
ホワイト「……さっきからちょくちょくその名前を聞きますが、そもそも『ドミニオン・アクロニア王国』って一体何なのでしょうか?」
藪「公式設定で語られている『ドミニオン界のアクロニア王国』……あれがそうだ。
ただ単にアクロニア王国というと、エミル界にかつてあった同名の国家と区別がつかないので……通称『ドミニオン・アクロニア王国』と呼ばれる」
ホワイト「ほむ……」
藪「君も知っての通り、この間天まで続く塔経由で、誰でもドミ界に行けるようになった。
……なったのだが、繋がった先が私の敵国である『ドミニオン・アクロニア王国』領だ。
もっとも、ドミ界のアクロポリスが陥落して以降は、彼らは『レジスタンス』と名乗っているようだが……
ここでは最後まで、表記を『ドミニオン・アクロニア王国』に統一する事にする」
ホワイト「ほむ……」
藪「先ほどのやりとりを見れば分かるように、『ドミニオン・アクロニア王国』の奴らは『南州列藩同盟』出身者と見るなり、見境無く襲ってくる習性がある。
『レジスタンス』と名乗りだしてからも、この習性は何ら変わっていないようだ」
ホワイト「……要するに国籍名乗っただけで襲われる程、先生の母国と『ドミニオン・アクロニア王国』は険悪な仲なのですね?」
藪「その通りだ。 ただでさえ、『ドミニオン・アクロニア王国』の奴らは昔から『PVP』などという愚策を実施し、自ら国内の治安を悪化させて悦に浸っている。
そんな奴らが、敵国人に対して寛容になれるはずは無かろう。
それに……」
ホワイト「それに?」
藪「私の知り合いの医師が、医療活動の為に現地に行ったのだが……
よりよにって手術中にWRP(War Recoard Point)狙いのPKに襲われ、自分が重傷を負ってしまった。
当然、手術は失敗して患者は死亡。 遺族から多額の損害賠償を請求されて、ドミ界から逃亡する羽目になってしまった……」
ホワイト「え…… それで、そのお医者さんを襲ったPKさんはどうなったのですか?」
藪「信じられんかもしれんが、『お咎め無し』だ。 『ドミニオン界では力が全て』、というアクロニア王国の国是の元にな。
遺族からもそのPKに損害賠償請求がなされることは無かった……」
ホワイト「え……そうなんですか……」
藪「ああ。 敵国感情を抜きにしても、現在のドミニオン・アクロニア王国領(レジスタンス領)は、まともな医療活動が出来るような場所じゃない。
奴らの首都であるウェストフォートが我が国か天魔界辺りに落とされでもしない限り、事態改善は困難だと思うね」
ホワイト「そうなんですか…… 藪先生がドミ界に行きたがらない理由が色々あるのは分かりました」
ホワイト「で、藪先生。 先生の母国と『ドミニオン・アクロニア王国(現レジスタンス)』が何で仲が悪いのか……
その辺の話、聞かせてもらえないでしょうか?」
藪「むう…… そいつは厄介な話だな。 それを説明するとなると、我が国の誕生の話から解説せねばならなくなる」
暗に『面倒だから説明したくない』とでも言いたげな表情で、藪先生は言いました。
ホワイト「藪先生〜。 お願いですから解説してくださいよ〜。
詳しく説明してくれないと、ちゃんとしたレポートが書けないじゃないですか〜」
私としては、ドミニオン界で発生している動乱を気にかける前に、まずは目の前のレポートを片付ける必要がありました。
なので藪先生から出来るだけネタをもらって、早くレポート本体の執筆に取り掛かりたいのです。
藪「……正直面倒なのだが、レポート絡みとあらば、解説しない訳にはいかないな。
さて、どこから解説したらいいか……」
と、そこへ……
一葉「あ、先生。ホワイトはん。 うちから一つ、提案があるんどすが……」
いままで黙っていた一葉ちゃんが、発言を求めてきた。
藪「? 何かね、一葉君」
一葉「これある事を予期していた訳では無いんどすが、今夜9時『カサパー』の番組で……
先生の母国である『南州列藩同盟』の特集するんどすえ。
良かったら、みていきまへんか?」
ホワイト「……ねえ一葉ちゃん。『カサパー』って何?」
一葉「ああ、これは失礼したえ」
一葉「『カサパー』というのは『Kasa ParfecTV』の略で、人間様の庭に住み着いているアンブレラ系Mob達で結成されたTV局どすえ。
いわゆるネタ界には、アンブレラ系Mob飼っているサイトはこのサイトくらいしかあらへんけど……
アップタウンで公開庭やっている人達の中には、アンブレラ系Mobを飼っている人たちは結構いるんどすえ」
ホワイト「へえ……そうなんだ」
藪「アンブレラ系Mobの有志達による我が国の特集か……そいつは面白そうだな。
何はともあれ今夜の9時、楽しみにしているよ」
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